琴言譚[きんげんたん]

今、救世主なら語る

あなたはコーランを唱えられますか

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       バングラデシュの首都ダッカで日本人7人が犠牲になった人質テロ事件。事件が起きて1週間以上が経過、伝えられる凄惨さには耳を覆いたくなる。亡くなった方には心から哀悼の意を表したいが、その死を無駄にしないためにもここで指摘しておきたい。日本人は狙われた。そして狙わせた。

 

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●日本人犠牲、シナリオ通り


イスラム教徒か。バングラデシュ人か」。実行犯はこう問いかけ、イスラム教徒の聖典コーランの一節について公用語であるベンガル語で尋ねたという。イスラム教徒だと分かれば、見逃し一部は開放したが、その逆であるとわかれば刃物や銃で殺害していった。そのやり口の卑劣さは狂気の沙汰としか思えないが、実はそうではない。計画は練りに練られ、外国人たちは計画通り殺されていった。実行犯たちは終始、クールだった。
ここで押さえておきたいのは、事件を実行したイスラム過激派のメンバーたちが、かなりの知識層だった点だ。有名大学な私立大学で学んでいた若者たちで、家庭も比較的、裕福なものたちだった。つまり、人質が日本人であることをきちんと理解し、日本人であるがために殺した。
 実際、現場にいた人の証言から亡くなった日本人の1人は「私は日本人だ」と叫んだことがわかっているが、その言葉に実行犯たちは耳も貸さずに刃物を振り下ろした。この現実をどう見るかだ。少なくとも10年前なら結果は違った。日本人だと言えば、命までとられることはなかった。ましてやバングラデシュの社会的インフラを整備するために、やってきた日本人たちである。救われたはずだ

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●日本は敵国


いったい何が変わったのか。日本は敵国になったのだ。IS(イスラム国)の敵として明確にリスト入りを果たしたのだ。その転機となったのが昨年の安保安全保障関連法案(安保法案)の可決。集団的自衛権を認め、世界のどこへでも自衛隊が出かけて戦争ができる体制を整えてしまったのだ。日本はISを脅かす国になった。だから狙われた。
安倍政権は日本をそういう国にした。テロと戦う国、テロに狙われる国にしたのだ。今回の選挙で与党が勝てばさらに日本の右傾化が進む。それを国民は望むのか。選択を見守りたい。(了)

5兆円がまた消えた

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    また5兆円が消えた。国民年金などの積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年4月からたった3カ月間で、5兆円もの運用損を出したのである。英国の欧州連合(EU)離脱で株価が急落したのが原因だ。GPIFは昨年度も5兆円の運用損を出したばかり。国内や国外の株式での運用比率を高めた安倍政権の政策が完全に裏目に出ている。

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●年金をジェットコースター運用


お金には二種類ある。損してなくなってもいいお金と、決して無くしてはならないお金である。お年寄りの老後を保障する年金は、我々庶民にとってはいわば命綱。決して、なくしてはいけないお金に属する。安倍政権はそれを知らない。
確かに安倍政権が主張するようにGPIFは損ばかりしているわけではない。おととしまでは利益の方が大きく、総額では38兆円のプラスである。ただ、だからといって問題がないとは言えない。ジェットコースターのように儲けたり、損したりするようなお金の運用は、年金のように決して損してはならない性格のお金にはそぐわないのだ。
なのにアベノミクスの効果を水増ししてみせたいがために、ルールを変更してまで年金をリスク市場に投入する。その無謀さ、思慮の浅さが問題なのである。

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●運用損、公表は選挙の後


不可思議なのは自民党が15年度の運用損の正式な公表を7月29日まで先延ばしにしていることだ。例年ならGPIFの運用結果は7月の上旬に公表している。「こんなに得をした」と吹聴して回っている。今回はわざわざ1カ月近くもずらし、参議院選挙の後に振り替えている。
おかしいではないか。仮に15年度もプラスがでていたら、公表は選挙の後だっただろうか。作為的に選挙の後にずらしたと考えるのが自然だ。
憲法改正にしても安保法案にしても、この政権、かなりおかしい。これほどまでに赤裸々に国民を愚弄した政権はかつてなかった。この政権を勝たしてしまったら、庶民はおろかだと認めることになる。 (了)f:id:mitsu369:20160706080824g:image

 

200円カレーと5兆円

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      新潟市に本社を置く「原価率研究所」。この会社の売りは税込み1皿200円のカレーライスだ。年初にオープンした東京1号店には行列ができるという。漠然とした将来への不安を拭いきれないビジネスマンは生活防衛にやっきだ。そんな庶民を尻目に「株で5兆円もスッてしまった人がいる」というから驚きだ。いったい誰?

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●年金5兆円が消失


 答えを明かしてしまおう。その人とはGPIF、すなわち年金積立金管理運用独立行政法人だ。6月30日の運用委員会で2015年度の公的年金積立金の運用成績を厚生労働省に報告したところ、5兆円を超える運用損が発生したという。
 「5兆円なんて随分、景気のいい話だ」と笑ってはいられない。なぜなら、このお金、国民年金と厚生年金の積立金だからだ。国民が老後に必要な、どうしてもなくてはならないお金が、5兆円も消失してしまったのだ。見過ごしていいはずはない。どうしてこうなった。
まず、抑えておかなければならないのがGPIFが運用する積立金の規模だ。ざっと140兆円。日本の一般会計税収(2016年度=57兆6000億円)の2倍強にあたる。これだけのお金をGPIFは株式のほか、国債、外国株などで運用しているが、運用しているお金が年金であることから、これまで政府は運用益よりも安定性を重視してきた。変動幅の大きい日本株や外国株ではなく、利回りは低くても安定している国債などに比重を置いてきたのだ。
ところがだ。安倍政権がこれを一気に切り替えた。利回りが低い代わりにリスクも低い国内債券の比率を60%から35%にまで引き下げ、その一方で、株式での運用の比率をこれまでの2倍の50%にまで引き上げたのだ。大量の年金マネーが株式市場になだれ込んだのである。
年金マネーは株式市場で「クジラ」と呼ばれ、その流入は大いに歓迎された。株価上昇を下支えどころかけん引役となり、それがアベノミクスの成果としてもてはやされた。しかし、それもつかの間。昨年8月の、人民元の切り下げを受けた世界同時株安「チャイナ・ショック」の影響で、巨額の損失を出してしまった。ここに今後、英国の欧州連合(EU)離脱問題が追い打ちをかけ、損失はさらに拡大していくことだろう。

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アベノミクスのウソを暴け


アベノミクスの正体とは、とどのつまりが「円安と株髙」。結局それは国民のお金を使って演出されたに過ぎない。日本の経済が世界と無縁であるはずもなく、お金を無理に注入して底上げされたニセモノ相場は、中国や英国、欧州連合(EU)などが揺らぐたびに、震え上がる。皮肉にもそれはアベノミクスが標榜するグローバル化が、進めば進むほど直接的になる。
この5兆円の巨額損失は、アベノミクスのウソを見破る入り口となる。人様のお金を拝借し、それを使って自分の成果を演出するなど、なんと姑息なことか。国民はこの事実を見逃してはならない。櫛名田姫がまたアベノミクスという大蛇(オロチ)に食われたのである。5兆円も。さあ、どうする。アベノミクスはこれを反省することはない。株式市場に刺激を与えるため、さらにニューマネーを投入する政策をとるだろう。それを許すのか。見逃せば、すべてを食わせてしまうことになる。(了)

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最後のサミット

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「日本はケチなソロバンをはじき、小細工をした」。5月27日、閉幕した伊勢志摩サミットに対する中国外務省の公式評論である。威信をかけたサミットで日本が「小細工」をしたとは「なんたる非礼」と言いたいところ。しかし、さにあらず。確かに小細工なのである。 
 
●首脳宣言で中国非難
 
中国が問題にしているのはサミットで首脳宣言だ。今回のサミットの首脳宣言の骨子は6つあったが、その骨子の1つに「中国の東シナ海南シナ海での行動を懸念する」との文言が盛り込まれたのだ。この「懸念」を盛り込むよう強力に働きかけたのが実は議長国である日本。これを中国は「小細工」と非難しているというわけだ。
 G7のような国際的なトップ会議で正式に批判されたとなれば中国とて面白くない。G7を「本来、経済政策を議論する場」としたうえで、それを日本が利用して中国を避難したのは「ケチなソロバン」であり「小細工」であると断じたのだ。
中国がいう通り、そもそもサミットの発端は世界経済への対応だった。1973年の第1次石油危機による世界経済の落ち込みを議論したのが始まりで当時、経常黒字国だった日本とドイツが、危機脱出のけん引役として期待され、その是非が議論された。
 
G7の場を私的流用
 
しかし、そのG7の場を今回、日本は私的な目的で利用した。中国にプレッシャーをかける場に流用したのだ。
それだけではない。今の世界経済が「リーマン・ショックの前に状況に似ている」と言う認識をG7共通のものにする場にも利用しようとした。これは消費税導入の延長の理由を探していたためだ。自民党が秘密裏に進めた調査によると、このまま消費税導入を強行すると夏の参院選挙での敗北は避けられず、そうなれば安倍政権の悲願である憲法改正も遠のく。正々堂々、消費税導入を先送りできる理由が必要で、その理由探しの場として国際的に権威のあるサミットを選び、米国もそれを黙認した。
こうなればサミットの価値は下がる。実のある議論がなくなってきた分だけ、価値はない。少なくとも中国が参加しないG7の意味は薄らぎつつある。
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G7のGDPは世界の5割未満に
 
実際、日米、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダのG7国内総生産(GDP)の合計は1980年代には世界全体の7割を占めていたが、今は5割を切る。影響力は日増しに弱まるばかり。一方、G7と異なり中国が加わったG20のGDPは世界全体の実に8割を占め、中国が主張する通り「G20はG7に代わるプライマリー(第1)のフォーラム」になりつつある。
 このG7からG20への軸の移動をG7各国の首脳は敏感に感じ取っている。だから影響力の弱まったG7は、その場を日本が私的に利用することを許したのだ。「あくまでも本番は中国が参加するG20。中国抜きで何をしても茶番」というわけだ。
 つまり結局は中国なのである。G7の首脳も中国しか見ていない。中国抜きのG7で何をやろうと、何を決めようと現実味は薄い。G7などあてにはならないのだ。
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東シナ海、自分で掘れ
 
日本も東シナ海の問題を解決したいなら、G7の権威にすがるのはやめ、自ら動くことだ。東シナ海のガス田を自ら掘るしか、解決策はないのだ。
 実際。中国は東シナ海でのガス田開発を中断するどころか、開発のスピードを日増しにあげている。日本は中国に対し排他的経済水域EEZ)でのガス田開発を一方的に進めないよう警告しているが、中国がこれに耳を傾ける気配はない。日本政府は2015年7月に東シナ海における中国によるガス田開発の現状を示す写真を公表したが、それから1年弱の間に、把握できた16基の構造物のうち7基で開発が進んでしまっている。
 これを避難している暇があったら、自分でさっさと掘ることだ。中国からすれば「何もしないから悪いのはそっちだ」ということになる。誰も助けてはくれない。その現実を日本は『最後のサミット』から学ばなければならない。(了)f:id:mitsu369:20160607094008j:image
※関連記事…
▼『中国の舌は米国の舌』
 
 
▼『日中ガス田、日本はこうやって掘れ』
 
▼『 日中共同ガス田開発ーー夢は獏に食わせてしまえーー』
 

北北北に進路をとれ

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    安倍晋三首相が1日から7日まで欧州とロシアを訪問する。狙いは今月26~27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の地ならしだ。議長国として日本がどのように主要7カ国(G7)をさばくか、世界経済が不安定な時期だけに安倍首相の采配が注目される。とりわけ大切なのはロシア。米国、欧州と一緒になってウクライナ危機を題材にロシアを非難する側にたってはならない。その意味でも今回のトップ会談は重要な意味を持つのだが……。

●殴らないロシア人

「ロシア人はまず相手をなぐってから交渉する」――。ロシアとの外交の難しさは昔からよく言われるところ。交渉の初期段階でまずグッと詰め寄り、相手の様子を見ながら少しずつ、譲歩を重ねる。落としどころが見いだしにくくなかなか結論まで到達しにくいのがロシアとの交渉なのだ。
ところが、最近は様子が違う。特にこと日本との関係においてはこの「まず殴る」の前段がない。最初から譲ってきているのだ。
その最たるものが北方領土問題だ。プーチン大統領は今年4月に北方領土の返還問題に関して「妥協はいつか見いだされる可能性があり、見いだされると思う」と述べている。外交交渉においてまず有利にものごとを進めたいなら「問題など存在しない」と突っぱねるのが常道。北方領土においても実質的に4島ともロシアが支配しているわけだから「日本との間に領土問題など存在しない」と言えばロシアは北方4島を現状のまま維持できる。
にもかかわらず、ロシア側は領土問題の存在を認めるばかりか、「妥協が見いだされると思う」という。つまり「一定のラインまで譲る」と明言しているのだ。実はこれは外交交渉のイロハからすれば、驚くべき譲歩だ。
ところが日本はこのロシアが差し伸べた手を振り払い続けている。プーチン大統領も「日本がある段階で我々との接触を制限するのを決定した」という。ウクライナ問題で日本が欧米とともに制裁を決定したことを示唆しているわけだが、ロシアが日本に熱心にラブコールを送り続けているのに日本はそれを袖にしてばかりだ。
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●米国の圧力に屈する日本

北方領土が返還されるなら日本にとっては願ってもない吉事。資源問題に悩まされることもなくなる。にもかからわず、日本がこの問題に取り組めずにいるのは背景に米国のプレッシャーがあるからだ。日本がロシアと接近することに対して米国は一貫して否定的であり、そのために日本もロシアとの領土問題に本腰を入れずにいる。
ロシアもここは見抜いていてプーチン大統領が「米国などパートナーの圧力にもかかわらず、日本の友人は(ロシアとの)関係の維持に努めている」と発言、日本の弱腰をやんわりと牽制している。
さて、※「前門の虎、後門の狼」。ここで日本はどう動くべきなのか。断然、北に進路をとることだ。米国との関係悪化を必要以上に恐れていてはならない。「御稜威(みいつ)は北から降りる」。ここはその法則に従い、北に御稜威をとりに行くことだ。ロシアには天然ガスや石油などの資源はもちろん日本がもたない広い領土と潤沢なマーケット(市場)を持つ。日本が敵対する中国への牽制力もロシアとの提携で強化することが可能になる。
安倍首相は欧州各国を回った後、ロシア南部の保養地ソチでプーチン大統領と非公式に会談する予定。このチャンスを無駄にすることがあってはならない。間違っても「米国の同盟国として」などと虚勢をはってウクライナ問題などで啖呵を切らないことを切望する。せっかくプーチン大統領と会ったのに「成果なし」では困る。「ゴールデンウイーク(GW)だったから成果もお休みでした」では笑えないブラックジョークだ。(了)  f:id:mitsu369:20160502190045j:image 
※【 前門の虎、後門の狼 (ぜんもんのとら、こうもんのおおかみ)】…一つの災難を逃れてほっとする間もなく、またすぐに他の災難に見舞われることのたとえ。

鳴かぬなら殺してしまえ、原子力規制委

   権勢を誇った秦の始皇帝が最後に求めたのが不老不死の妙薬だった。その薬を探すよう命を受けた徐福(じょふく)は「薬を探す」と偽り、命からがら日本にたどり着いたとされる。傲(おご)るものの滑稽さは本人には分からない。「時間を克服することなど人には出来ない」という当たり前の道理さえ見失う。だが、もっと怖いのはその無謀な挑戦を止める者がいない社会だ。
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原子力規制委、40年超運転を認可

4月20日。原子力規制委員会関西電力の老朽原発、高浜原発1、2号機(福井県)が新基準を満たすとの判断を示した。これにより高浜原発の運転延長が認可される可能性が高まった。実現すれば、運転から40年を超えた老朽原発に火がともり続けることになる。
原発の寿命は原則40年。これが原則だ。その原則を曲げるには原子力規制委員会の認可が必要だが、関電は今回そのお墨付きを得たことになる。稼働までに後いくつかの認可手続きを経ることになっているが「大きな課題は残っていない」とみられ、このまま何もなければ後20年の稼働が可能になる。
これまで40年原則を超えて運転した原発はない。高浜の運転期間延長が認められれば「原発寿命40年」の原則は有名無実化、周辺の住民の命が危険にさらされる。同時に「高浜モデル」が電力業界全体に広がり、老朽原発の長期運転に道が開かれてしまう。
もちろん原則には例外がつきものだ。しかし、まず例外からスタートする原則など聞いたことがない。ところが、原子力規制委員会の今回の動きはかなり不自然だった。関電の老朽化原発の長期運転を認めようという意思がありありなのだ。
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原子力規制委員会 田中委員長〉

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関西電力高浜原発を巡る経緯〉

●熊本地震のまっただ中の暴挙

それは今回の判断のタイミングを見ればよく分かるだろう。原子力規制委員会が認可を与えた4月20日はまだ九州の熊本で激しい余震が続いていた時期。川内原発鹿児島県)の周辺住民が福島第1原発の様子を思い出しながら恐怖に怯えていた時期である。
その時期にあえて老朽原発の運転期間延長を表明するなど、日本中を敵に回すようなもの。しかし、原子力規制委員会はそれをやらざるを得なかった。なぜなら、期間延長の判断の「期限」が7月に迫っていたからだ。これを過ぎれば高浜原発は「廃炉」となってしまう。この後、安全対策の認可、詳しい設計の認可、運転延長の認可を得なければならないことを考えれば、1日でも早く原子力規制委員会が認可を下ろす必要があった。
そしてその通り原子力規制委員会は認可を下ろした。期限から逆算し、高浜原発が時間切れで「廃炉」になることを避けた。
こうなれば原子力「規制委員会」とはいったい何を規制しているのかという疑問がわいてくるのも当然だろう。先の川内原発でも絶対的に必要な重要免震棟すらない原発を「安全」として再稼働を認めた。今、この時点で川内原発地震に耐えられず水蒸気爆発を起こしたならどうするつもりか。丸裸の原発でいったいどんな対応がとれるというのか。
今回の高浜の件もそうだ。原発40年というのは長期運転による原子炉の壁の摩耗の度合いからみて科学的に「限界」とされる時間である。それをこえ運転させてもよいという。しかもかなり焦ってそう判断した。本当に大丈夫か。責任はとれるのか。福島第1原発ですらメルトダウンを防ぐことはできなかった。「ありえない」とされてきたことが現実になった。にもかかわらず「原発稼働ありき」でお墨付きを振りまき、国民の命を危険にさらす原子力規制委員会。何も審査せず、ただ現状を黙認するだけの機関なら必要はない。(了)



人が犬を噛んだ

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    駆け出し記者のころ。先輩から「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛めばニュース、ニュースとはそういうもの」と教わった。もしこれがニュースの本質を言い当てているのだとしたら「川内原発が通常に稼働」がなぜニュースなのか。
 
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●「何もない」ことがニュースの狂気

14日午後9時26分ごろ、熊本県益城町震度7地震が発生、西日本の広い範囲で揺れが観測された。気象庁震源地の規模は同県中部で、地震の規模はマグニュチュード(M)6・5と発表した。家屋倒壊や死者もでているというから現地はさぞかし大変な事態になっているのだろう。
 NHKはもちろん民放各社もリアルタイムでニュースを刻々と届けてくるが、画面の下に「九電川内原発鹿児島県)に異常なし」「玄海原発、異常なし」と字幕スーパーが流れるのはかなり違和感がある。原発に異常なし?あたり前ではないか。
 ひょっとして後ろ暗いとろでもあるのだろうか。そう。ある。九州電力川内原発を再稼働する際、重大な手抜きをしているのだ。「免震重要棟(後で耐震構造に変更)」の不備だ。重大事故が発生した際、現場で混乱の収拾を図る最重要拠点である免震重要棟を建設しないまま原発を再稼働させているのだ。原子力規制委員会も「将来、この免震重要棟をつくる」ことを条件に再稼働を認めており今現在はこの免震重要棟は存在しないのだ。
 ということは、今回の熊本県の大地震により川内原発で何か事故が起こっていれば、その対応を指揮する拠点すらない。あれほどの大混乱を招いた東京電力福島原発ですら免震重要棟はあった。曲がりなりにも責任者が集結し、事態を収拾するための最前線の基地はあった。
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●走り出したブレーキのない車

 川内原発にはその免震重要棟ない。「将来つくるならそれでいい」と再稼働が認められた。その当時も「では、免震重要棟が完成する前に事故がおこったらどうなるのか」との指摘はあったにもかかわらず、静かに見過ごされ再稼働に至っている。
 ブレーキがない車が走り出しているのである。ブレーキは「将来、つけるから」という条件つきで「それなら安全」と太鼓判をおされ走り出している。今、急に目の前に人が飛び出せばとまる術はない。川内原発も同じだ。今、ここに何か事故がおこれば対応する術はない。前線で指揮をとる拠点すらない。
 今回はたまたま何も事故は起こらなかった。少なくとも現時点ではだ。しかし、明日は分からない。それでも川内原発の火は燃える。その火の危険にさらされているのは今回の熊本県地震で亡くなった人の何倍もの人の命である。今、この瞬間もだ。(了)
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〈免震重要棟の重要な役割〉

資源がない国?誰が決めた!

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2016年3月10日、安倍晋三首相は「日本は資源がない国」と言い切った。あれ?安倍さん「それって本当ですか?あなたは地面を掘ってみましたか?」


これは東京電力福島第一原子力発電所事故から5年となるのを前に安倍首相が記者会見した時の話。滋賀県大津地裁が高浜原発3、4号機の運転を差し止める仮処分を決定しているが、これについて安倍首相は資源に乏しい日本にとって原発は欠かせないと主張した。
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原発再稼働という政府の方針にこだわるのは分かります。でもね、安倍さん。日本に資源がないというのは無理がある。東シナ海で中国があれほどの投資をして石油を毎日、掘り出し、尖閣諸島で横暴に振る舞うのもあの海域にサウジアラビア級の油田が眠るからでしょう?掘ってみなさい、石油が湧いてくるから。
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2013年でしたっけ。新潟市秋葉区の空き地から石油とガスが噴出してきたこともありました。日本の大地に原油が眠っている証拠です。千葉の茂原では今、この瞬間にもガスが湧く。ガスの下に油田がある証拠ではありませんか。
これほど日本に資源が豊富な証拠が満載なのに何で「日本には資源がない」なんて言えるのですか。

少しは勉強しなさい。一国の総理なんだから…。(了)
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※関連記事…「起死回生の鉱脈は足元にあり」2015-6-3

狼は羊の皮をかぶって忍び寄る

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    人類史上初めての原爆投下という悲劇を被った日本。投下の場所が広島と長崎だったのはなぜかご存じか。答えはその地名にある。「広島」は昭和天皇である「裕仁(ひろひと)」、「長崎」はその皇后である「良子(ながこ)」を象徴する地名。だからこそ、そこに原爆が投下されたのだ。その広島をケリー米国務長官が訪問するというのだが……。

    岸田文雄外相によるとケリー国務長官が広島を訪れるのは11日。主要7カ国(G7外相会合に関連して平和祈念公園を訪れ、公園内にある原爆慰霊碑に献花をする予定だという。原爆資料館も視察する。ケリー米国務長官は米閣僚として初の訪問で、岸田外相は「世界の指導者に被爆の実相に触れてもらうことは、核兵器のない世界を目指す機運を盛り上げるうえで大変重要だ」との期待を表明している。

確かにその通りである。広島に集結する主要7カ国はドイツを除けば大半が原発大国であり、かつ大量の核兵器を持つ国々。核弾頭数は筆頭の米国が7000以上、次いでフランスが300、英国も200以上だ。そんな核まみれの国々が日本に集まり、本当に核兵器のない世界を目指し協力することで動きだすなら、世界は変わっていくだろう。岸田外相は核軍縮・核不拡散に焦点を絞った「広島宣言」を出す方針だが、実質的で現実味のある内容になることを期待したい。
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とりわけ注目したいのは米国だ。大統領のオバマ氏は2009年4月のプラハでの演説で「核兵器のない世界」を目標にかかげ、その年の12月にはノーベル平和賞を受賞した。核安全保障サミットも主導し、今年4月には50カ国以上の首脳らを米国に招き核テロ防止を「永続的な優先課題」と位置づけた声明を採択している。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)時にはケリー国務長官の進言を受け、現職大統領として初めて広島入りする可能性もあり、世界は米国がけん引しながら核軍縮に向け動き出したように見える。

ところがだ。表のパフォーマンスとは裏腹に世界は核軍縮どころか、着々と軍拡に動いている。その証拠となるのがプルトニウムの保有量だ。プルトニウム核兵器にはなくてはならない原料だが、国際核物質専門家パネルの調査によるとこのプルトニウムの保有量が世界で増えているというのだ。例えばオバマ大統領が安全保障サミットを初開催した2010年末時点のプルトニウムの量は496トン。これが2014年には504トンにまで増えた。増加量は8トン。1トンで核兵器約200発が製造できるというから、たった4年程度で1600発もの核兵器がこの地球上で増えてしまった計算になる。表面的には軍縮を唱えながら、裏では核戦争の準備が着々と進んでいるというわけだ。

ならば日本はどうするか。ここで気をつけなければならないのは米大統領選の共和党候補指名争いで首位に立つドナルド・トランプ氏の発言。日本からの駐留米軍の撤退とともに日韓の核武装を提案しているのだ。米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで「米国第1(アメリカ・ファースト)」と名付けた外交政策を発表したが、ここで「米国の力がこのまま弱まれば(日韓は核を)を持ちたいと考えるだろう。日本が北朝鮮の核の脅威に直面するのなら核の保有は米国にとっても悪いことではない」と発言している。日本の核兵器保有を容認または推進しているわけだが、もし本当に日本が核武装するなら中国、北朝鮮に核開発の大義を与えることになる。アジアはたちまち軍拡競争に突入するだろう。何よりも自衛の範囲を超え日本国憲法9条に抵触、世界の信用を失う。トランプ氏の発言の裏にはかなりの米国の政財界人の意向があると推測されるが、まかり間違っても米国の誘導に乗ってはならない。

核戦争は穏やかに静かに忍び寄る。平和を装いながら罠をしかけてくる。その舞台に広島がなってはならない。世界で類を見ない犠牲を払い、無差別に人を殺す核兵器の酷さを白日にさらした広島である。昭和天皇の名にその音(おん)を重ねる広島が、核戦争を企てる者どものパフォーマンスの場になってはならない。
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日本よ、全身の神経を研ぎ澄まし、八岐大蛇(やまたのおろち)の策略を見抜け。狼は羊の皮をかぶって忍び寄る。(了)

ミサイル?「Et alors(それが何か?)」

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北朝鮮が動いた。日本政府は2月10日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に伴い独自制裁の強化を決定したが、これに対し12日、拉致問題を含む日本人の調査を全面的に中止することを決めたのだ。朝鮮中央通信が伝えた。今回の日本政府の北朝鮮に対する行動はあまり素早く、そしてあまりに軽率。そのツケが早速、回ってきた。米国に投げた北朝鮮の牽制になぜ日本はそんなに怯え憤る必要があるのか。

●世界はなぜ北朝鮮に憤る?

 30年ほど前の話である。第21代のフランス大統領ミッテランが朝食会の席上、記者から愛人との間に隠し子がいるのかと問われ「Et alors(それが何か?)※」と返し、世間を沸かせたことがある。金正恩キム・ジョンウン)もそんな心境かもしれない。「長距離弾道ミサイル?」「発射したよ、それが何か?」。
 確かに北朝鮮の外交戦略には1本筋が通っている。有事が発生する度に「米国など関係各国と緊密に連絡をとる」と繰り返す日和見ばかりの日本とは大きな差だ。今回の長距離弾道ミサイル発射も1月の水爆実験の成功の後、正々堂々と発射を予告、その通りに実施してみせた。国際上の手続きは経ており、批判される筋合いではないはずだ。それなのに世界はなぜこんな憤る?
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●米東海岸が射程に

 まず、批判される第1の理由は、この長距離弾道ミサイルの射程だ。韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相は今回のミサイルの射程は1万2000~1万3000キロメートルと推定し「射程だけなら米本土も驚異になる」と話している。北朝鮮は米本土まで到達する大陸間弾道ミサイルICBM)の実現が最終目標としていると見られるが、今回の打ち上げで米国の東海岸まで届く性能を誇示することに成功しているのだ。
 第2にこのミサイルが搭載した「衛星」の重さだ。前回(2012年12月)の発射時に比べ、2倍に増えたというのだ。事実ならミサイルが「衛星」の代わりに「爆弾」を積んだ場合、2倍の威力を持つことになる。しかも今年1月に北朝鮮は水爆実験に成功している。核爆弾の何倍もの威力を持つ水爆が製造できるようになったということは、これまで核爆弾の何分の1からの重さのものでも、相当の威力を持ちうるということ。この「ミサイル」と「水爆」を1本の線で結べば、核を搭載した長距離弾道ミサイルを北朝鮮がほぼ手中に収めつつある事実に行き着く。世界が恐れおののくのも分からないではない。

●透ける5大国のエゴ 

ただしだ。ここでいう「世界」とはいったい何なのか。今回、北朝鮮の行動を批判している急先鋒は米国と中国。そして英国、フランス、ロシアなどだ。ここで思い出して欲しい。NPT(核拡散条約)で、核保有を認められている国々の名前だ。そう、それは米国、中国、フランス……。今回、北朝鮮の長距離弾道ミサイルを批判している国々の名前とピタリ一致する。
ここで透けてくるのは「5大国を中心とした世界のパワーバランスを北朝鮮ごときが崩すことは許さない」という大国のエゴイズムだ。NPTでは5大国は核保有を認めるが、それ以外の国には保有を認めていない。理由は「これ以上の核兵器の拡散を防ぎ、世界平和を実現するため」。そんな不平等な話はない。要するに核保有は早い者勝ちというわけだ。この5大国だけが核の威力を背景に世界で我を通し、これに刃向かう北朝鮮は徹底的に叩く。そんなバカな話があっていいはずはない。
それなのに日本はなぜか、5大国と一緒に北朝鮮を批判する。そればかりか5大国とは別に独自の制裁措置も導入するというのだ。5大国に入れてもらえもしないのに、5大国中心のヒエラルキーを侵したとして番犬のごとく吠えているのである。
そんな国を相手にしていられないという北朝鮮の主張はもっともではないか。「信頼関係を築き、拉致問題を話し合う相手とは認められない」という言い分は日本同様、北朝鮮側にもあるのだ。
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●踏みにじった北朝鮮の誠意

実は今年1月の核実験の後、北朝鮮は日本に対し経済制裁を強化するのなら「拉致問題を巡る対話をやめる」と非公式に通告していた。正式な国交のない北朝鮮として最大限の配慮を日本にはらってくれたということだ。なのに日本は5大国の主張を代弁、経済措置強化とともに「(北朝鮮は)断じて容認できず、北朝鮮に厳重に抗議し、強く非難する」という決議を衆参両院の本会議で採決してしまった。日本にとって何のメリットもない「雄叫び」を上げ、その見返りに拉致問題のパイプを寸断されてしまったのだ。いったい国会議員は何をしてくれているのだ。国会議員自らが国益を損なってどうする。
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●櫛名田姫(クシナダヒメ)はまだ泣いている

そもそも、今回のミサイルは沖縄の上空をかすめた程度で、日本とは全く関係のない南洋への飛んだ。日本を狙っていなかったことは明白だ。それなのに北朝鮮への批判を不必要に噴出させた。尖閣諸島はおろか沖縄近海すら中国に脅かされ、黙り込んでいる日本がだ。
これでは日本は「虎の威をかる狐」と下げすまれても仕方がない。グローバル化とは強いものを見極め、それについて回ることではない。国際社会で求められている役割を果たすことだ。今回、日本は毅然としてどこにも加担しない中立的な立場を維持する役回りだった。にもかかわらず必死で大国にこびる日本は実にさもしい。櫛名田姫はここでもやはり泣いている。(了)

※Et alors?(仏)…「エ・アロール?」日本語で「それがどうしたの?」の意。

クリントンメールが暴いた真実

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メール問題で苦戦を強いられているヒラリー・クリントン前米国務長官(68)。2月9日に東部ニューハンプシャー州で開いた大統領選の予備選では予想に反して民主党のサンダース上院議員(74)に敗北を期してしまった。私用メールのアドレスを公務に使うという軽率な行動が影響したことは間違いないが、このメール問題、大統領選以外のところにも思わぬ影響を与えている。日米関係だ。表では日本の同盟国として振る舞いながら、裏で中国と通ずる二枚舌外交の実態が白日の元にさらされてしまったのだ。

尖閣国有化「事前に中国と協議を」

波紋を広げているのは2012年9月の尖閣諸島沖縄県石垣市)の国有化を巡る1件。東京都知事だった石原慎太郎氏がワシントンのヘリテージ財団主催のシンポジウムで行った講演で、地権者から買い取る方向で基本合意したことを明らかにしたことを発端に中国が猛反発、結局、日本政府が20億円強で買収し国有化した事件だが、この時、キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が国有化の前に中国政府と協議するよう日本側に要請していたことが公開された前国務長官のメールから分かったのだ。
日本政府の公式的な立場は「中国との間に領土問題は存在しない」というもの。尖閣諸島は疑いようもなく日本の領土であるわけだから、個人の所有であろうと国の所有であろうと、それは国内問題であって中国と協議する筋合いの話ではないというのが本当だろう。石原氏の尖閣諸島買収構想に14億円もの寄付が集まったのも、日本国民がこの考え方に賛同しているからだ。ところが、この筋を曲げて日本側から中国に協議を申し入れれば、わざわざ「日本の領土ではなく中国の領土なのかもしれない」と言っているのと同じ。外交として下の下だ。それを米国は「やれ」という。日本の同盟国であり、日本の領土を守ってくれるはずの米国が逆に日本の領土を危機にさらすよう誘導しているわけだ。そのことを米国が自覚していないはずはない。
しかも、さらに不可解なのは日本側が「最終的に中国は国有化を受けいれる」との見解を伝えると、それに対して「懐疑的だ」と回答してきたことだ。日本固有の領土である尖閣諸島の国有化を中国がどう考えようが、日本にとってはどうでもいいこと。それなのに、わざわざ中国との協議に乗り出せば、尖閣諸島問題が国際問題として存在していることになってしまう。
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●中国に恩を売る米国

ここでもまた米国が決して日本の味方ではないことが浮き彫りになる。日本の味方でないばかりか、中国の味方なのだ。尖閣諸島問題で明らかに米国は中国に恩を売ろうとした。そして日本の領土を売り渡そうとした。日本国民はこの事実はまず見抜いておかなければならない。(了)
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集団的自衛権が引き寄せたもの

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 北朝鮮国際海事機関(IMO)に対し「人工衛星」を打ち上げると通告してきた。北朝鮮の場合、この「人工衛星」なるものが米国本土まで攻撃できる大陸間弾道ミサイルICBM)を意味することは衆目の一致するところ。それ自体に驚きはないにもかかわらず日本の政府関係者の間にはこれまでにない緊張感が走っている。ICBMが日本を標的にする可能性が出てきたのだ。招かれざる客を引き寄せているのはほかでもない。「集団的自衛権」だ。
 
●チャンスは1秒

通告によるとロケットは北朝鮮西部の東倉里(トンチャンリ)から南方へ発射。1段目は韓国西方の黄海に落下し、その後、フェアリングと呼ぶ衛星のカバー部品が韓国・済州島の南西沖に、ロケットの2段目はフィリピンのルソン島の東方沖に落下するとしている。
本当にそうならまだいい。しかし、仮にこれが米国を標的にしていたならどうか。核弾頭を装備している可能性もゼロとは言い切れない状況で当然、日本は同盟国である米国を守る「義務」が発生する。迎撃命令が出ることは必至だ。
問題はここからだ。果たして日本はICBMを打ち落とせるのだろうか。
ここで興味深い材料がある。韓国の東亜日報※が掲載した社説だ。「北朝鮮の弾道ミサイル、韓国領空を通過すれば迎撃できるのか」というものだが、ここで東亜日報は2014年5月に韓南(ハンナム)大学のチェ・ボンワン教授が国会で公開してシミュレーションを紹介している。北朝鮮が射程距離1000キロのノドン・ミサイルに1トンの核兵器を搭載して発射した場合、675秒(11分15秒)でソウルに落下するというのだが、この675秒のうち551秒は大気圏外にあり迎撃は不能だというのだ。しかも、大気圏内に入っている124秒のうち、PAC―3(パトリオット)打ち落としが可能な高度(12から15キロ)にあるのは、たった1秒しかない。迎撃はかなり難しいと指摘している。

●日本に定められた照準

ただ、社説では防衛技術が韓国よりも10年進んだ日本の場合は、ミサイルを打ち落とせる範囲が広くなると指摘、北朝鮮からの距離もソウルからさらに延びるため、ミサイルを迎撃できる時間はかなり増えるという。社説では、韓国もこうした事態に踏まえて装備を充実させる必要があると示唆しているのだが、それでは韓国からお手本とされる日本は安心していられるのだろうか。そうはいかない。
確かに東亜日報が言うように日本がミサイルを迎撃できる時間は韓国に比べて格段に多くなるが、秒単位の話でしかない。ミサイルを打ち落とせる確率は上がるが、100%ではない。それどころかその半分にも満たないという専門家もいる。

●今、危機はそこにある

にもかかわらず、そのミサイルが米国ではなく日本を標的にしていたとしたらどうだろう。米国に向かうミサイルを撃ち損ねても、日本自体に被害が及ぶことはないが、照準が日本に定められているとするなら話は別だ。しかも核弾頭を搭載していたとしたら……。「そんなこと、あるはずがない」。昨年までは確かにそうだったかもしれない。しかし、集団的自衛権を認めてしまった以上、北朝鮮からしてみれば日本は米国と同格の仮想敵国に「格上げ」されてしまった。重要な変化が起きたのである。米国と一緒になって北朝鮮を攻撃してくることが法的に担保されたとなれば、北朝鮮も穏やかではいられない。米国と一緒に日本も叩いてしまう、それが自然だ。
その自然な北朝鮮の行動に対して、日本は防ぐ手立てを持たない。代わりに米国は日本という防波堤を強化することに成功した。ここに国民は気がつかなければならない。集団的自衛権を認め、米国との同盟関係は強化されたかもしれないが、日本はとてつもないリスクを抱え込んでしまったのだ。
果たしてどうなるか。仮に本当にミサイルが日本を向いていたなら、おそらくその結果をこのサイトに記すことはできないだろう。今、八岐大蛇は牙をむく。危機はそこにある。(了)

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東亜日報「[社説]北朝鮮の弾道ミサイル、韓国領空を通過すれば迎撃できるのか」より(February. 04, 2016 07:19한국어)→http://japanese.donga.com/List/3/05/27/522102/1
     

金くさい「郵貯の7人の侍」

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ゆうちょ銀行で外部人材の登用が進んでいる。6月に元ゴールドマン・サックス証券副会長の佐護勝紀氏を副社長として迎え入れたのを始め、これまでに7人がゆうちょ銀行入りを果たした。長門正貢社長は彼らを「7人の侍」とし、運用収益の向上などを託す考えだ。黒澤明が監督を務めた映画『七人の侍』(1954年)では、百姓に雇われた侍が野武士との戦いに勝利をおさめ、百姓たちを略奪から守った。さて、ゆうちょ銀行の侍たちは何を守るのか。
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●侍は金融機関からやってきた

長門社長が言う7人の侍の特徴は何といってもその金くささにある。例えば宇根尚秀氏はゴールドマン、田原邦男氏はバークレイズ証券の出身、笠間貴之氏は投資ファンドの運営者だ。長門氏自身も旧日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経てシティバンク銀行では会長を務めた。もちろん、お金を扱うゆうちょ銀行なのだから、金くさいのは当然なのだが、ちょっとこの金の匂い、尋常ではない。
7人に共通するのはリスクを伴う金の匂いだ。7人がこれまで活躍してきた金融機関を精査してみよう。いずれも富裕層のお金を扱う金融機関だということが分かる。リスクを伴っても積極的に運用し、高い配当を求められる金融機関なのだ。つまり貪欲に利益を求める投資家のニーズを取り込み、これに応えてきた金融機関の出身であり、それを実現してきた人たちだということだ。
長門社長はこうした資産運用のプロをわざわざゆうちょ銀行に招聘し、今後、外国の債券や株式などにも運用先を積極的に広げていう方針だという。リスクは高いがより運用収益を増やし、貯金者に配当で報いていくというのだ。
確かに運用資産の規模は200兆円あまり。規模が規模だけに運用の巧拙で、実入りは大きく変動することは間違いない。
ただ、ここで考えて欲しいのは、ゆうちょ銀が抱えるこの巨額の資金は、全国の農村や地方都市の庶民たちがコツコツと貯めたお金の集合体であるということだ。決してリスクをとらず、「国の安全な金融機関だから」という理由だけで、預けた庶民のお金の集積なのだ。
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●リスクは庶民、儲けは富裕層

ところが、この庶民のお金を使ってゆうちょ銀はさらに稼ぐという。外国債券や株式というリスクの高い市場に出て行き、このお金を運用し収益を増やす計画なのだが、では、仮にその計画がうまくいった場合、その収益を手にするのはいっただれなのか。
答えは株主である。これまでは国だったが、これからは違う。民営化され株が売り払われた以上、その株を購入した富裕層にこそ利益は還元される。リスクをとることのできる富裕層に配当として回るのだ。貯金している当の庶民には何の見返りもない。庶民のなけなしの貯金を何の断りもなくグローバル市場で運用し、その実入りは富裕層に回っていくのである。

●「自己責任」で貯金が消える

この理不尽なカラクリにほとんどの庶民は気づいていない。にもかかわず仮にグローバル市場でゆうちょ銀が運用に失敗し、破綻したとするなら、そのツケは株を持つ投資家とともに、貯金者である庶民にも回される。日々の生活のなかで、お金を節約しようやく貯めた郵便貯金は預けた庶民の「自己責任」という理由で、露と消える。
残念ながら、ゆうちょ銀が運用で失敗する可能性は決して低くない。むしろ高い。日本人がグローバル市場に出て行っても運用技術の未熟さや情報の少なさから失敗するケースは非常に多い。
例えば公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)。運用成績を見てみよう。7~9月期の運用成績は7兆8899億円もの赤字である。中国経済の減速などで世界的に株価が下落したことが響き、四半期としては過去最大の運用損失。14年10月末の運用改革で株式比率を国内外それぞれ25%に高める方針を決め、株式投資を増やしてきたが、それが見事に裏目にでている。
ゆうちょ銀行の持ち株会社である日本郵政西室泰三社長は「今後3~5年で(50%程度まで)売却しないと意味がない」とし、実質的に国が持つ株式をどんどん市場で売り払っていく考えだ。いったいなぜ、さっさと売り払わないと「意味がない」のか、理解に苦しむところだが、残念ながら趨勢はそうだ。ゆうちょ銀が富裕層に牛耳られる日は近い。そのようになれば、庶民の貯金はリスクをはらんだグローバル市場にまるで八岐大蛇が八塩折酒(やしおりのさけ)を飲むように吸い込まれていくだろう。

●今度勝つのは農民ではない

黒澤映画では農民が侍を雇い、その侍は農民を守った。結局、「勝ったのは農民」だった。しかし、ゆうちょ銀の「7人の侍」は富裕層に雇われ、富裕層のために働く。そして農民の資産を食いつぶす。今度の「7人の侍」は農民の味方ではない。そのことを肝に銘じておかなければならない。(了)
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あなたはコオロギを食べますか 

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   フィンランドヘルシンキに面白いベンチャー企業を見つけたと日本経済新聞が1面で報じている。読んでみると確かに面白い。食用コオロギを育てているのだ。その数たるや50万匹。世界人口100億人時代を救うのだというのだが……。


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↑〈専用のコンテナを販売し、飼育のノウハウを有料で提供する〉

● 食料需要1・6倍に

風変わりなベンチャー企業の名前はエント・キューブ。最高経営責任者(CEO)によるとコオロギ100グラムあたりに含まれるプロテインの量は21グラムあり、牛肉や粉ミルクに匹敵する。しかも、飼育コストが格段に低い。仮に牛1頭を100グラム太らせるには1キログラムの飼料と1543リットルの水が必要なのに対して、コオロギは飼料なら100グラム、水は1リットルで、コオロギはざっと牛の10分の1のコストで飼育できるわけだ。
 もちろん農業の生産技術は加速度的な進歩を続けている。ただ、それでも2050年に世界人口が100億人に迫るとなると、今の1・6倍の食料増産が必要になる。生産技術の進歩を待っていたのでは、とても追いつかない。コオロギのお世話になる日がこないとも限らない。
 とりわけ日本は人ごとでは済まされない。農林水産省によれば、日本の食料自給率(カロリーベース)は40%前後。今後はさらに下がる。TPPに大筋合意したとあってはなおさら下がるから、いったん世界的危機や戦争など不測の事態に見舞われれば、日本人の食卓にコオロギをこねてつくったハンバーグが上る日が来ないとも限らない。
 そう考えていたら、日本経済新聞がこのニュースを伝えたのとちょうどころ、日本が捕鯨を再開したとの情報が飛び込んできた。2014年、オランダの国際司法裁判所(ICJ、ハーグ)が日本の捕鯨は商業目的だとして停止すべきとの判断を下したが、今回の捕獲調査はその時以来である。
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●まやかしの調査捕鯨

明るい話である。調査捕鯨という形ではあるが、捕鯨国、日本がのろしを上げた。12年間にわたって調査を続ける予定で、6年後には調査結果の中間報告も実施するという。BBCニュースなどは「また日本が残酷な行為を始めた」と否定的だが、ここで日本はひるむ必要はない。
ただ、むしろ、堂々と調査ではなく「生業としての捕鯨」と主張するべきだ。今回は昨年3月のICJの中止命令に配慮し、捕獲予定数を従来の3分の1に減らしたほか、皮膚の採取や目視での調査、餌となるオキアミ資源量調査なども盛り込み、調査としての意味合いを強めたが、これは逆効果だ。
本来は純粋な捕鯨であるにも関わらず、「調査」だと言うから、そこに弱みが出来るし、まやかしが発生する。日本はそこをつかれる。戦術としては下策である。なにも中国のように他国の領海の島を埋め立て、基地をつくるわけではないのだ。生業を営むわけだから、それを貫いたほうが、よっぽど潔いし、理解も得やすい。
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●日本人がコオロギを食べないように

捕鯨問題は日本の文化と誇りの問題であると同時に切実な食料問題でもある。食料自給率40%の国が、「調査」とうそぶいている間に状況は深刻さを増す。今秋、日本近海で鯨が増えすぎ、サンマが獲れなくなった事件が問題化したように、捕鯨で二の足を踏んでいるうちに日本近海の生態系はバランスを崩し、いずれ取り返しがつかなくなる。
そうならないうちに日本は動き出すべきだ。捕鯨を手控えることは国力をそぐことにつながる。そこを簡単に考えるならば、いずれ日本人がコオロギを食べる日がやってくる。(了)
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自然に帰れ、東芝

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 東芝が米原発事業子会社ウェスチングハウス(WH)の損失を公表していなかった事実が発覚した。金額にして1156億円。粉飾決算後の損失隠しだけに東芝の情報開示(ディスクロージャー)の姿勢を疑いたくなるのだが、この問題が深刻なのはさらにここからだ。これだけの損失を発生させながら、東芝は2019年3月期以降、原発事業事業環境が好転、年平均1500億円の営業利益が上がると試算しているのだ。現実離れした楽観的な数字を掲げながら、原発に拘泥する東芝。このままでは原発の重荷で東芝自らも沈む。
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●情報開示ルール、無視の裏舞台

「大いに反省している」――。11月27日、東京都内で会見した室町正志社長は頭を下げた。最近ではすっかり見慣れてしまった東芝の謝罪会見。「またもや東芝……」と市場(マーケット)関係者の反応は冷ややかだが、日本経済に与える東芝の影響度合いを考えれば、白けてばかりもいられない。
この問題でまず押さえておかなければならないのは東芝が確信犯的に東証の情報開示ルールに違反していたという事実だ。本来なら遅くとも11月7日の2015年9月中間決算発表の際には発表されるべきだったが、東芝はそれを承知のうえで、だんまりを決め込んだ。水面下では発表の準備を進めておきながら、あまりにも厳しい原発事業の実情を白日のもとにさらすことによる影響の大きさを恐れ、土壇場で先送りしてしまったのだ。
しかし、収まらないのが開示ルールを無視された東証経済産業省。とりわけ東芝を監督する立場にある経済産業省はこれまで東芝と蜜月の関係にあっただけに怒りは大きかった。「WH問題をきちんと説明するように」との再三の指示を完全に無視され、最後は「とにかく早くやれ」と強引に東芝に迫った。その結果、今回の異例のタイミングでの発表にいたったわけだが、こうしたことから考えると記者会見で室町社長の口から出た「大いに反省」という言葉は国民に対してというよりは、損失隠蔽で怒りをかった東証経済産業省を意識し発せられた意味合いのほうが強い。
ただ、不自然なのはいくら落ち目とはいえ、東芝ほどの名門企業が、東証の開示ルールを公然と無視してしまったという事実だ。特に東芝出身の西室泰三氏が社長を務める日本郵政グループは4日にグループ3社の株式を上場、東証が運営・管理するマーケットの恩恵を最も受けている企業の1つ。本来なら東芝はとても東証の意向を無視することはできないはずである。
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〈記者会見の冒頭、頭を下げて謝罪する東芝の室町正志社長(右)。左端はウェスチングハウス・エレクトリックのダニエル・ロデリック社長=27日、東京都港区で〉

●断ち切れなかった原発依存

それでも東芝がWHの損失を隠さざるを得なかったのは、11月7日の時点までに東芝が「原発事業をどうしていくか」を定めきれなかったという事情がある。
今となってはWHも西田厚聡元社長ら旧経営陣の時代に買収したいわば過去の遺産。東芝はその旧経営陣に対して『善管注意義務』違反などで損害賠償を求める訴訟を起こし、全否定したわけだから、このタイミングでWHそのものを否定する選択肢もあったはずだ。だから迷った。「原発を切るべきか、残すべきか……」。そして結局はWH買収を決めた経営陣は切り捨てたが、WHそのものは切り離さなかった。
このことは東芝のこれからを占う上において極めて重要な意味を持つ。東芝がWHを含む原子力事業の業績を明かにしたのは今回が初めてだが、ここで明かになったのはかなり厳しい現状と今後の強引な事業計画だ。
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●無謀な経営再建計画

東芝によれば同社の原発事業はWHを買収した2006年以降、年200億円から500億円程度の営業利益を出していた。これが2011年3月の東京電力の福島第1原発事故後、大きく狂った。2014年3月期は358億円、2015年3月期は29億円の営業赤字となり、原発事業は「鬼っ子」に変わった。このため大枚をはたいて買収したWHの価値も買収時から一気に目減りし、今回の1500億円を超える巨額の減損にいたったわけだ。
ただ、ことがこれで終われば東芝にも復活が残されたかもしれない。しかし、東芝はこの分岐点で原発に突入する道を選んだ。子会社のWHを通じ今後15年間で世界で64基の原発を受注、最終的には年間1兆円の売上高を原発事業で稼ぎ出す計画を打ち出したのだ。これには2015年3月期段階で、たった740億円しかない新規建設の売上高を19年3月期以降に年間平均でその8倍の5900億円にまで引き上げる必要がある。つまり実現可能性がほぼゼロだということだ。残された経営資源すべてを原発に注ぎ込んだとしても難しい。
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核分裂は滅びへの道

日本が福島第1原発で実証してみせたように、原発はもはや次世代を担うエネルギーとは言えない。東芝に言わせれば、「世界には今後400基の原発をつくる計画がある。膨大な需要があるから大丈夫だ」ということになろうが、世界の国々もそこまで能天気ではない。福島第1原発で原子炉から漏れ出たウランをどう除去するか、その方策すらたっていない現状からみて、原発が今後世界で普及していくとは考えにくい。それは東芝自身が1番、分かっているはずだ。
企業経営には時代を見る冷徹な目が必要だ。時代の潮目を見誤り、流れに棹さすならば、いかに明晰(めいせき)な経営者であっても企業を滅ぼす。今、時代はもはや原発ではない。太陽の光と熱という基本的なエネルギーが核融合によって生み出されていることから考えれば、核分裂によりはき出される核エネルギーが自然の摂理から遊離していることは明白だろう。自然から逸脱するものは、いずれ自然から淘汰される。東芝もそうだ。不自然な会計、不自然な再建計画、不自然なエネルギー……。東芝よ、自然に帰れ。再生の道はそこにしかない。〈了〉
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