琴言譚[きんげんたん]

今、救世主なら語る

プライドはないのか

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 世界が驚いた。国連総会第1委員会(軍縮)で核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について、日本がこれを議論することに反対したのだ。非核三原則を国是とし平和国家としての地歩を固めてきた日本。その日本が核兵器保有を認めたことで日本は完全に信頼を失った。核兵器の保有を否定しない「平和国家」など誰も相手にしない。プライドはどこにいった。

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●大切なのは米国の顔色だけ


 「米国の核抑止力(核の傘)に依存する安全保障政策と相いれない」。核兵器保有を擁護する側に回ったことについて日本政府はこうコメントした。悲しいではないか。「米国の核で守ってもらっているのだから、その核を否定するわけにはいかない」というのだ。いつから日本はこんな卑屈な国になったのか。
 「相いれない」というならむしろ非核三原則の方だ。核兵器を「製造せず」「持たず」「持込みませず」とする この国是と核兵器の保有は全く整合性がとれない。1967年 12月,佐藤栄作首相も国会答弁で正式に表明しているこの国是を真っ向から否定し、米国の顔色を伺うためだけに国連という最大の公の場でみせた日本の態度。もはや「醜態」としか表現のしようがない。

 

ヒロシマが泣いている


 いったい日本はこの核兵器で何万人の人が亡くなってしまったのか。無差別に人を殺す核という特殊な兵器の残酷さは日本人しかしらない。その日本人が核兵器を認めてどうするのだ。世界にあの悲劇を伝え続けるのが、日本の役割ではないか。日本だからこそ説得力を持つのではないか。ヒロシマナガサキが泣いている。

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●コケにされる日本


 その役割を放棄するということはプライドの放擲(ほうてき)である。プライドなき国はもはや米国の番犬でしかない。その証拠に最近、米バイデン副大統領が習近平氏にある発言をして物議をかもしている。「日本は一夜で核武装可能」だと。
 この国はチェック機能を喪失してしまったのだろうか。野党は死に体のTPP法案の成立に抵抗するポーズをどうとるかだけに腐心、第4の権力とまでマスコミは沈黙を続ける。いったいこの国の良心はどうなった。(了)