琴言譚[きんげんたん]

今、救世主なら語る

サムライ・ジャパンが泣いている

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日本が跪(ひざまづ)いた。国連本部で始まった核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」の制定交渉への参加を見送ったのだ。核武装を強化する方針の米トランプ政権に配慮、核兵器廃絶に向けた活動を自ら放棄するこの判断は、日本が米国に追従するだけの主張なき国であることの証左にほかならない。
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核兵器禁止条約、交渉「不参加」
3月31日、核兵器の非人道性を訴え法的に使用を禁止する「核兵器禁止条約」制定に向けた国連本部での初交渉が3月31日、終了した。100カ国以上が核兵器の使用や備蓄、配備の禁止について議論し、次回の6~7月の交渉で条約文を採択するメドがたったというのに、この晴れがましい舞台に日本の姿はなかった。日本の被爆者や市民団体の関係者220人以上が参加し、核廃絶の必要性を主張したにもかかわらず、そこに肝心の日本の政府関係者がいない。不自然以外の何ものでもないではないか。

  

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核兵器禁止条約の国際会議…不参加の日本政府席に、 「あなたがここにいてくれたら いいのに」 と書かれた、平和の折鶴が置かれていた。

 

●重大な判断ミス
 世界で唯一の被爆国である日本が核兵器の廃絶を叫ぶのは当たり前の行為である。戦争を悔(く)い、核兵器の恐ろしさを世界に訴えるのは日本の権利であり義務ですらある。なのに日本は交渉に参加しなかった。これは重大な日本の政治判断の誤ちである。

核兵器国と非核兵器国の双方が参加する枠組みでなければ意味がない」。確かにそうかもしれない。いくら核兵器の廃絶を主張しても、そこに実際に核兵器を持っている国が参加しないなら、現実的な力は持ち得ないかもしれない。
しかし、だからと言って、日本が核廃絶への取り組みをやめていいということにはならない。誰かが平和への道を主張し続けなければ、その日を手繰り寄せることは決してできない。平和を主張し続ける役割を担うのは、世界で唯一の被爆国である日本が最適なのに、その役割を日本は放擲(ほうてき)してしまったのだ。世界は日本が核兵器を認めたと見なす。
北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す現状にあっては「米国の核兵器に守ってもらっていながら、その核兵器を否定することはできない」。実はこれが日本の本音だ。米国から「核兵器が不要?ならば日本を守らなくてもいいのだな」。こう言われるのが怖いのだ。

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●他国に依存する防衛などない
本来、他国に依存した防衛など存在しない。「自分で自分を守れない。だから、米国に守ってもらっている」。知識層はこう反論するが、実はこの思考方法は独立国家としては論理破綻に陥っている。仮に米国が、日本を真剣に守るなら、それは日本が米国の一部、つまり米国に支配されているということの証明だ。つまり、日本は独立国家ではなく、米国の実質的な植民地であるということだ。それを今回、日本は内外に示した。「日本は米国の植民地である」と世界にそう宣言することで、実をとったのだ。「我々はアメリカのメーカーだ」とトランプ大統領に媚びを売り、制裁措置を免れたトヨタ自動車とそっくりの構図だ。
しかし、実際は米国は日本に実などとらせてくれない。米国のインフラ整備のために日本の老人の年金を使い、米国のエネルギー問題の尻ぬぐいをさせるために、東芝をつぶす。それでもまだ日本は、へつらうのか。グローバル化というなら世界の大国と堂々と渡り合ったらどうなのか。「現実主義」を言い訳に強きに屈し続ける日本。「サムライ・ジャパン」など失笑ものだ。
これでは野球1つ勝てはしない。(了)

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侍ジャパン WBC準決勝でアメリカに敗退