琴言譚[きんげんたん]

今、救世主なら語る

屈辱のJBIC、ウラン濃縮会社買収

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 耳を疑った。日本政府が、国際協力銀行JBIC)を通じて欧州のウラン濃縮大手、ウレンコ社(本社・英国)の買収交渉に入ったというのだ。福島第1原発の事故を引き合いに出すまでもなく原発の難しさは身に染みたはず。にもかかわらず、国自らがウラン濃縮の会社を買収するという。しかも、米国のエネルギー会社と一緒に、だ。今のところ決まっているのは日本がカネだけを出すということだけだという。

 

●金だけ出す日本
 話を分かりやすくするために、日本政府が買おうとしているウラン濃縮の会社がいったい何をする会社なのか解説しよう。一言でいえば原子力発電の燃料となるウランつくる会社だ。鉱山から採掘される天然ウランのなかには、実際に発電で使える「ウラン235」は0・7%しか含まれていない。だからこの濃度を3~5%程度にまで高めなければ実際の原子力発電では使えない。遠心分離機などを使ってウランの濃度を高める必要があり、それを手掛ける会社を米国のエネルギー会社と一緒に買うというのだ。
 しかし、原発の再稼働にこれだけ批判が高まるなかで、原発の燃料をつくる会社を買うなど尋常ではない。とりわけこれが問題なのは国自らが乗り出すということ。東京電力東芝が買うわけではないのだ。
 となると、気になるのはお金の出所だ。国が買うということは結局は国民が買うということだ。つまり、お金は「外国為替資金特別会計」から出る。一般会計ではなく特別会計から出るわけだが、いずれにしても要は簡単に言えば、国民の税金で買うのである。買った会社は米国のエネルギー会社が牛耳る、日本はお金だけ出す。

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血税がまた無駄になる
 ふざけた話しではないか。いったいいつこんな屈辱的なディールにカネをつかっていいと誰が言った。100歩譲って買ったウラン濃縮の会社を、日本の傘下に収めるならまだ利用の仕方がある。うまく使えば福島第1原発の処理に貢献するかもしれない。しかし、そうではない。買った会社は米国にくれてやるのだ。米国のエネルギー会社が欲しがるオモチャを、日本国民の血税で買ってやったようなものである。しかも、そのオモチャは原発という危険な代物なのだ。
 これはおかしい。極めて異常だ。最も恐ろしいのは日本政府が、それを隠そうともしないことだ。米国にかしづく、卑しい狐である実態を糊塗(こと)※しようともせず、正々堂々、国民のカネを使う。
さあ、安倍政権の正体が赤裸々に見えてきた。問われているのは国民の方だ。(了)

※糊塗(こと)…一時しのぎにごまかすこと。その場を何とか取り繕うこと。