琴言譚[きんげんたん]

今、救世主なら語る

銀行潤い、国民泣く

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日銀が危ない。市場に回るお金の量を増やすため、民間の銀行が持つ国債を日銀が買い取り、お金に換えてきたのだが、それが日銀の重荷になっているのだ。日銀から民間銀行に回したはずのお金は、庶民に回されることなく再び日銀に逆流、これが日銀の経営を痛めるという負のスパイラルが生まれる可能性が出てきた。


●国民に回さず日銀に貯金
どういうことか。政府は国民にお金を回すため、このところ民間銀行の国債を日銀が買い取るという方法を多用している。簡単に言うと民間銀行が持っている国債という紙切れを、日銀が引き取り、その代わりにお金を民間銀行に渡しているのである。つまり「紙切れ」と「お金」の交換である。
 紙切れを引き取ってもらい、その代わりにお金をもらった民間銀行は、そのお金を本来なら国民に回せばいい。国民は楽になるし、銀行だって利子を稼ぐことができる。
 ところが民間銀行はそうはしない。国民に回さずに、日銀に戻しているのだ。せっかく国債を引き取る代わりに、お金を渡してくれた日銀に対して、「いやいや。こちらでは使いませんから、そちらで預かって下さい」と再び預け直している。
 こうやって民間の銀行から日銀に返ってきたお金は378兆円(2018年3月末)。これが日銀の当座預金に眠っているのだが、問題はただ眠っているだけでないことだ。利子がつく。もともと日銀が民間銀行に回してくれたお金だとはいえ、それを民間銀行は日銀に預け直しているわけだから当然、利息が発生するわけだ。これが日銀にとって重荷になっている。

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●日銀の重荷は国民の重荷 
日銀の重荷になっているというなら、それは国の重荷。つまり国民の負担である。国民に負担を強いながら民間銀行に利息を払っているのだ。どこかおかしくはないか。
 政府は今後、物価を引き上げ、金利も引き上げていく方針。そうなれば日銀が民間銀行に支払う利息も増える。国民の負担をどんどん増やしながら、民間銀行の稼ぎを増やす。どうなっているのか。
 金融緩和は国民を豊かにするために始まったのではなかったか。緩和で生まれたお金が国民に回らず、それが負債として水膨れし、民間銀行を太らせていくなら本末転倒もいいところだ。(了)