琴言譚®︎[きんげんたん]

今、救世主なら語る

「アベノマスク」人のフンドシで人気とり


 この国は大丈夫なのか。あまりに偏りが過ぎる。あまりに無防備に国を開き過ぎた。今回のコロナ禍はこれを浮き彫りにした。日本はそろそろ学ばねばならない。国づくりということを。国民を感染症から守るマスクの輸入比率が8割。これでは国は守れない。

f:id:mitsu369:20200602094959p:image
■総額466億円。検品に8億円 
 総額466億円――。これがアベノマスクノのお会計である。加えて検品に8億円。550人の人員も配置し目視(目でみて)で選別したのだそうだ。しかも「アベノ」と名称をつけた割には、お金は国民の税金である。安倍首相が自腹を切り、ただで配ってくれるわけではない。なのにわざわざマスクに「アベノ」と命名する厚かましさ。何とも腹立たしい。
 それにしてもお粗末な話だ。そもそもなんでこうなる。結論を先にいえば、外国に依存しすぎたからだ。日本衛生材料工業連合会の統計では2018年に国内で供給された約55億枚のマスクのうち、日本製はわずか2割で残りは輸入品。マスクの原材料となる不織布も、日本企業の比率が2割でほとんどが中国産という。これでは国は守れない。
 実は新たなパンデミック(世界的大流行)のリスクは2年前に指摘されていた。安全保障や感染症の研究で知られる米ジョンズ・ホプキンス大学が2018年にまとめた報告書だ。同報告書は今世界を苦しめている新型コロナウイルスの登場をすでに予見している。呼吸器系に悪さをするRNAウイルス、つまり今、流行しているコロナウイルスなどに十分な注意が向けられていないと警鐘を鳴らしているのだ。

f:id:mitsu369:20200602095717p:image
感染症研究にぬかり
 もし、この2年前の警鐘に日本が耳を傾けていたらどうだろう。ワクチンや治療薬の開発は間に合わなかったからもしれないが、投入の時期は2年前倒しできた。すくなくともマスクくらいは十分に確保できたいたはずだ。
起きてしまったことを後からいくら講釈してみても始まらないのは分かっている。が、466億円もかけてマスクを配るくらいなら、その半分でも日本国民の命を感染症から守る研究に振り向けるくらいの機敏さと賢さが必要だったのではないか。儲からないと判断したものは、外でつくらせる。そのうえで国を開いて外から買う。「国は開け、開け」。
 しかし、いざとなればどうだ。日本に供給網は遮断され、たちまち自国民の命は危機にさらされる。国を熱心に開いた責任者は莫大な税金を湯水のようにつかってマスクをくばる。
滑稽以外の何ものでもない。そしてこの政権を支持し、延命させてきたのは国民以外の何ものでもない。(了)

f:id:mitsu369:20200602095526p:image