琴言譚®︎[きんげんたん]

今、救世主なら語る

中国が日本攻撃を想定して軍事訓練? ~乗ってはいけない陽動作戦~

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 中国が新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に設置していた巨大構造物を破壊する実験に成功した。これだけなら、よくある軍事訓練かもしれない。しかし、この構造物が日本の航空自衛隊早期警戒管制機(AWACS)にそっくりだとしたら穏やかではない。中国は日本を対象としたミサイル攻撃の具体的な戦略を練り始めている。これはその示威行為だ。それは間違いない。だとすると日本のとるべき道は何か。


●「ほら、写せ」
 実験が実施されたのは7月の上旬。人民解放軍の管理区域内での実験で、米軍艦と同型状の物体も複数見つかっている。日本の自衛隊機形の構造物のまわりに中国の戦闘機を模した構造物を配置し、日本の自衛隊機形の構造物だけを破壊した。つまり中国のミサイルが自国の戦闘機を避けて日本のAWACSだけを狙い撃ちすることができるのかを確認したとみられるのだ。実験は見事に成功、写真にはAWACSに似た形の焦げ跡が地面にくっきりと浮かびあがった。
 この実験、米国の衛星運用会社の映像に鮮明に写し出されている。まるで「ほら、写せよ」と言わんばかりである。そう。写されることを完全に想定している。ここで日本がどう出るかをまるで計っているようだ。
 では日本はどうでたか。案の定である。日本政府は2023年度の予算案で防衛費に上限を設けない方針を決めた。防衛費だけは他の予算とは別だてとする計画で7月中にも閣議了解をとる見通しだ。「中国がいよいよ日本を攻めてくる。日本も備えを」というわけだ。

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●中国と米国、連携プレー
 しかし、どうだろう。これは正しい選択なのだろうか。もちろん国守りは必要だ。丸腰でいいはずはない。領土も人民も守らねばならない。必要な武装は進めてもらいたいが、日本は戦争を放棄している国であることを重々、肝に銘じてもらいたい。守りを固めるということと戦争をするということは全く別次元の問題なのだ。
 そもそもよく見抜いて欲しい。この中国の日本を標的とした軍事訓練の様子を撮影したのは米国である。米国の衛星が世界中を飛び回っているのは当たり前。その衛星に日本攻撃を想定した画を撮らせる。完全に連携プレー。中国と米国が共同で日本を戦争に追い込んでいった第2次世界大戦と同様の構図だ。
 戦争をしたい勢力はどこにでもいる。いつもうごめいている。それに踊らされてはいけない。ウクライナ問題を引き合いに出すまでもなく世界は動乱。だからこそ冷静な目で世界を見つめ、精緻に状況を見極めていく必要がある。集団的自衛権を理由に「米国を守る」などとして中国との戦争に引きずりこまれてはならない。中国と米国は組んでいるのだから。日本は賢くなければならない。(了)