琴言譚[きんげんたん]

今、救世主なら語る

ゴルフプレー代 51兆円なり

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日本の安倍晋三首相がトランプ米大統領フロリダ州パームビーチで約5時間、ゴルフに興じた。ホワイトハウスで会談後、大統領の専用機でトランプ氏の別荘に移動、常の1・5倍の27ホールを回る盛り上がりぶりに政府関係者や経済界は「日米の絆が一段と深まった」と手放しの喜びようだが、このゴルフのプレーフィーが4500億㌦(約51兆円)だったとしたらどうだろう。しかも、それが年金など日本の国民のお金を横流ししたのだとしたら……。

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●トランプ「日本国民の感謝」
「首相と日本国民に、米軍を受け入れてくれていることに感謝を伝えたい」。日米首脳会談の共同記者会見でトランプ氏はこう述べた。しかも笑顔を交えながら。いったいこの豹変ぶりはどういうことだろう。選挙中は「米国はただで日本を守っている」「お金を払わないなら米軍は撤退すべきだ」とあれほど息巻いていたではないか。一転「米軍を受け入れてくれて感謝」とはあまりの変わりようだ。しかも、日米共同宣言では「沖縄県尖閣諸島日米安全保障条約の第5条が適用される」とも言及、日本のアキレス腱だった領土・領海問題に十分すぎる配慮を示した。政府高官が「安倍首相は100点以上のでき」と胸をなで下ろしたくなる気持ちは分からないでもない。
 しかし、なぜ、トランプ氏はここまで豹変したのか。「米軍の駐留経費を8割近く負担している日本の実態を安倍首相がきちんと説明でき、それを理解してくれたから」なのだろうか。「繰り返される暴言で孤立するトランプ氏が、日本という味方の心強さに気がついたから」か。いかに世界を知らない日本人でもさすがにこの説明には首をかしげるだろう。そしてこう思うだろう。「もし、そんなこと位で変わるトランプなら、とっくの昔に変わっていたはずだ」。

 

●「米国に51兆円」を約束
 今回の記者会見で注意しなければならないのは、トランプ氏がメモを見ながらしゃべっていた点だ。欧米のトップの場合、メモを見ながらしゃべるケースはそれほど多くない。特にトランプ氏がメモに頼る割合は少ない。なのに今回の首脳会談でメモを多用したということは、それほど慎重にならざるを得ない状況にあったということだ。つまり決して逃してはならない魚をトランプ米国は手中におさめ、慎重に抱え込んだということなのだ。
 その魚こそ、日本のマネーだ。日本はトランプ政権の発足で震え上がり、暴言に翻弄され、「先んずれば敵を制す」と言わんばかりに、いの一番でありったけのお金を差し出してしまったのだ。トランプ米国はちゃっかり握りしめ、ご満悦だった。「首相と日本人に感謝」となるのも当然だといえる。
 では、その日本のマネーの正体とは……。タネをあかそう。それは「日米成長雇用イニシアチブ」なる経済協力のことだ。経済協力とは言葉だけのこと。要は霞が関の官僚が日米首脳会談を前に用意したトランプ氏への手土産で、トランプ氏はいたくこれが気に入った。
なにせ総額4500億㌦(約51兆円)である。10年間かけて高速鉄道や新規発電所に17兆円、ロボットと人工知能(AI)に6兆円、サイバー・宇宙開発などに6兆円など5分野に総額51兆円を投じるというのだ。しかもそのお金の出所は日本。わざわざ「日本のファイナンス(資金)力を最大限活用」すると明言している。「日米連携」「共同」と言葉は踊るが、結局は日本が用意する巨額のマネーを米国に流し込むだけのことだ。その成果は70万人の雇用創出につながるという。

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●お金の出所は国民の年金
 ここまできくと「おいおい」。というのが日本国民の本音だろう。いったいそんなお金がどこあるというのだ。国の借金は1000兆円超。財政破綻の危機に直面しているギリシャとならぶ借金大国、日本である。51兆円ものお金をどこから調達するのか。耳を疑いたくなるというのが本音だろう。
 しかし、お金は日本がつくるのだという。出所は………。驚くことなかれ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、つまりお年寄りの年金なのである。政府系金融機関の融資や外国為替資金特別会計など日本国民のために使途がきまっているお金と合わせて米国に投じ、米国の雇用を底上げするというのだ。
 お金には2種類ある。使っていいお金と決して手をつけてはいけないお金。日本は今、後者、つまり決して手をつけてはいけないお金を取り崩そうとしている。しかも、日本のために、ではない。まるで米国のために。トランプという「ジャイアン」にいじめられないため、親の金にも手をつける「のび太」のようではないか。あまりにも悲しすぎる。意気地がなさ過ぎるではないか。大丈夫か、日本。大和魂はどこへ行った。(了)
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