琴言譚®︎[きんげんたん]

今、救世主なら語る

2015-01-01から1年間の記事一覧

金くさい「郵貯の7人の侍」

ゆうちょ銀行で外部人材の登用が進んでいる。6月に元ゴールドマン・サックス証券副会長の佐護勝紀氏を副社長として迎え入れたのを始め、これまでに7人がゆうちょ銀行入りを果たした。長門正貢社長は彼らを「7人の侍」とし、運用収益の向上などを託す考え…

あなたはコオロギを食べますか 

フィンランドのヘルシンキに面白いベンチャー企業を見つけたと日本経済新聞が1面で報じている。読んでみると確かに面白い。食用コオロギを育てているのだ。その数たるや50万匹。世界人口100億人時代を救うのだというのだが……。↑〈専用のコンテナを販…

自然に帰れ、東芝

東芝が米原発事業子会社ウェスチングハウス(WH)の損失を公表していなかった事実が発覚した。金額にして1156億円。粉飾決算後の損失隠しだけに東芝の情報開示(ディスクロージャー)の姿勢を疑いたくなるのだが、この問題が深刻なのはさらにここから…

中国の舌は米国の舌

中国が南シナ海で領有権を主張する「赤い舌」。9本の破線を使って海を囲い込むため「9段線」とも呼ばれる。その舌の内で今、中国の動きが活発化している。岩礁を7カ所も埋め立て人工島や滑走路まで建設するなど自由自在だ。いったい米国は何をしているの…

『公私混同』こそ大蛇のレシピ

日本郵政グループ3社が東京証券取引所に上場した。ただ、今回、売却したのは全株式の10%程度で、残り90%は日本郵政が保有したまま。依然、国有化の状態にあり、民営からはほど遠い。持ち株会社である日本郵政の西室泰三社長はとにかく早く民営化しな…

櫛名田比売が泣いている

日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命が11月4日、株式を上場する。1987年の日本電信電話(NTT)に始まった政府保有株の売却劇も、これでついに大詰め。それはあたかも足名椎命(あしなづち)、手名椎命(てなづち)の最後の娘である※櫛名田比売(く…

SUN(サン)マが決める国の盛衰

「世の中で1番さびしいことはする仕事がないことです」。福沢諭吉の「心訓」のなかの言葉である。確かに職のないことは寂しい。ただ、これは海のサンマとて同じことだ。仕事がなければサンマも寂しい。ではサンマの仕事とは……。それは人に捕ってもらうこと…

山は動かぬと誰が決めた

「バーナムの森が動かない限りあなたは安泰だ」。シェークスピアの4大悲劇の1つ「マクベス※」で主人公である王マクベスに予言者が語った言葉だ。マクベスはこの言葉で自らの治世(ちせい)の永遠が約束されたと確信したが、結果は違った。森は動いたのだ。…

禁断のイチジク、花は安倍の〝実〟内で咲く

自民党が安倍晋三首相(党総裁)の総裁再選を決めた。消費増税、マイナンバー制導入、そして安全保障関連法の成立……。いずれも戦後日本の路線を大きく転換する政治的な決断だ。それを成し遂げた安倍首相はこれから3年という時間を手に入れ、「次は憲法改正…

安保法案とサンマ1匹のリアリズム

安全保障関連法案が参院本会議で成立した。これにより日本が直接、攻撃を受けなくても米国など同盟国が他国から攻撃を受けた場合、日本が加勢し共同で反撃することができるようになる。日本が米国から一方的に守ってもらうだけの「片務性」が解消され、日本…

サンマが見限る経済大国

秋の味覚「サンマ」が異常だ。初競りで1kg7万円の最高値を付け、その後も値段がなかなか下がり切らないのだ。9月に入っても平均産地価格は前年同時期の3倍近くにあたる600円程度。東京・築地でも900円(中心値)と高値だ。中国や台湾の乱獲で日本近…

日中ガス田、日本はこうやって掘れ

緊迫感を増す日中ガス田共同開発問題に解決の糸口はあるのか。答えは「イエス」だ。「共同開発」することである。中国が話し合いのテーブルにつきもしないのにどうやって共同で開発するのか、との疑念をお持ちの方も多いだろう。しかし、できるのである。日…

1粒3000億円の生ガキ、新国立競技場は安保の生贄

東京五輪の主会場となる新国立競技場の建設計画の練り直し作業が急ピッチで進み始めた。建設費の上限は今のところ1550億円程度。7月に白紙となった最終計画案で、その1・6倍の2520億円と見積もられていた数字は「いったい何だったのか」という疑…

日中共同ガス田開発ーー夢は獏に食わせてしまえーー

日本の岸田文雄外相と中国の王毅(おう・き)外相が8月6日、マレーシアで行ったガス田開発の協議は完全に決裂した。東シナ海で中国が進めるガス田開発は本来、「日本と共同で進めることになっていたはず」というのが日本の主張。しかし、中国側が話し合い…

東芝と安倍、断ち切られた蜜月

東芝の不正会計処理事件は蜜月だった安倍政権との間にくさびを打ち込んだ。安倍政権と手に手を取り、政権の政策面を全面的に補佐してきた東芝の失墜は、アベノミクスの限界をさらけ出してしまった。東芝頼みの安倍政権は重要なエンジンを1つ失った格好だ。 …

東芝事件が狂わせたウォール街のシナリオ

歴代3社長がそろって辞任する異例の事態となった東芝の不正会計問題。グループ売上高6兆円の巨大企業の不祥事は政財界の「関係者」に大きな衝撃を与えた。そのなかでも、最も大きな衝撃を受けた1人が西室泰三※だろう。経団連副会長、東京証券取引所会長を…

東芝、粉飾事件があぶり出した「原発と米の闇」

東芝が躓(つまず)いた。組織的に不適切な会計処理に手を染め、1500億円もの巨額の利益を不正にかさ上げしていたのだ。しかも粉飾をしていた期間は辞任することになった田中久雄社長、前任の佐々木則夫、そしてさらにその前任の西田厚聡の時代にまで遡…

日本油田構想は死なず

日本で最大の油田が開発されるかもしれない――。そんな期待を込めて新潟県の佐渡南西沖で進められた調査プロジェクトがある。時は2013年。沖に30㍍離れた地点で石油・天然ガスの埋蔵を確認するための調査プロジェクトだ。残念ながら「埋蔵は確認されず…

起死回生の鉱脈は足元にあり -ーニッポンに石油が沸いた-ー

⚫️ニッポンに石油が沸いた噴き出した石油が止まらない――。何も中東の巨大油田地帯の話ではない。日本での出来事だ。2013年4月、新潟市秋葉区の住宅の敷地内から石油とガスが噴出、2年以上、たつにもかかわらず、沸きだした石油が今だ止まらないのだ。…

海洋大国ニッポン、『脱』欧米化で次代を拓け

⚫️海洋大国ニッポン、『脱』欧米化で次代を拓け 日本は小さな島国ーー。確かにそうだ。領土面積はわずか約38万平方キロメートルと狭く、世界でみると第61番目のポジションにとどまる。ロシアの45分の1、中国や米国と比べても25分の1に過ぎない。と…

日本は資源大国だ

⚫️JAZA問題が映すグローバル化の死角 「JAZA」と聞いてピンときた人はほとんどいまい。Japanese Association of Zoos and Aquariums All Rights Reservedの略だそうで、日本語では『日本動物園水族館協会』が正式名称で日本にある水族館の大半がこれ…